マチに花火が上った夜!「庄内緑地夏まつり」当日レポート!

9月に入り暑さも和らぎ、過ごしやすい一日が続くようになりました。
思い返せば、猛烈に暑かった今年の夏。
そんな今年、三ツ川タウンで最もアツかった一日…?
そう!それはマチの夜空に花火が上がった日といえるのではないでしょうか!

8月11日(土)山の日に開催された「庄内緑地夏まつり」
当日の様子をレポートしていきます!!

ボラスタさん集結!

打ち上げまで残り5時間 「エイエイオー!」で気合を注入!

夏祭りの会場となるのは池の南側、庄内川の河川敷に隣接する芝生広場。この広々とした会場に、どれだけの方が集まってくれるのでしょうか!

PM3:00 晴れ渡る空から太陽がサンサンと照り付ける昼下がり。

本部のテント前には、この日のためにボランティアの皆さんが集まりました。

花火は打ち上がるのではなく、打ち上げるのもの!円陣を組んで「エイエイオー!」をして、士気を高めます!!

ボラスタの皆さんにはおそろいのTシャツが配布されました!これに着替えて持ち場に移動し、準備に取り掛かります。

花火の前にはイベントいっぱい!

打ち上げまで残り2.5時間 太鼓の演奏と共に夏祭りスタート!!

PM5:30 太陽が沈み初め、夕焼けで辺りが赤くなります。

ついに開会の時間。ステージでは来賓の挨拶を終え、太鼓の演奏が始まりました。
力強い音が鳴り響き、お祭り会場を盛り上げていきます!!

日陰が少なめな芝生広場はとにかく暑い!!キッチンカーもドリンクコーナーも、どこも大盛況でした!!

お子さんも退屈しないよう、ゲームコーナーでは輪投げやダーツ、水風船すくいにストラックアウトなどで遊ぶことができます!

…時を同じくして、お祭り会場から堤防を挟んだ反対側、庄内川の河川敷には花火が搬入されました。

地元の消防団の隊員による警備の元、打ち上げの時刻が訪れるのを粛々と待ちます。

PM7:00 暗闇が辺りを包み始めます。

手持ち花火エリアでは手持ち花火を楽しむお子さんの姿が多くみられました。

ステージでは今年で110周年を迎えた山田小学校の児童による110周年ダンス。

そして平田を拠点に活動するよさこいチームWell来夢・平田による演舞。

地元で開催されるお祭りを自らの演技で彩ろう!そんな姿がなんだかとてもカッコ良く見えました。

75秒の打ち上げ花火

いよいよ打ち上げの時が迫ります。

PM8:00 盛りだくさんな内容に夢中になっていると辺りはすっかり夜に。

このころには会場は来場者の方でいっぱい!(公式発表では来場者数2,500人!)

 

今回の花火は全部で50発!時間にすると75秒とのこと!
見逃すまいと、トイレに行くのもはばかられます。

 

…そしてついに!!

 

見事無事に打ち上がりました!!!!!!

 

庄内緑地公園で初めて打ち上げた花火としては大成功の出来栄えではないでしょうか?
今後も地域の風物詩として、長く続いていくことを期待しています!
また来年の開催も楽しみにしていましょ~!!


今回の花火大会開催に至る経緯を知りたい方はこちらの記事をチェック!!

 

いよいよ開催!「庄内緑地夏まつり」ができるまで【前編】
いよいよ開催!「庄内緑地夏まつり」ができるまで【中編】
いよいよ開催!「庄内緑地夏まつり」ができるまで【後編】

 

第2回庄内緑地公園夏まつり実行委員会:公式ホームページ

 

住所:名古屋市西区山田町大字中小田井

 

【2018年も大盛況♪】山田小学区の盆踊りはココがスゴイ!!-part2-

ネットの情報を眺めていると、各地で新しいコンセプトの盆踊りが続々と開催されています。
そんなふうに地域の盆踊りの在り方が、見直されている今日この頃。
なんだか盆踊りってこれからどんどん楽しくなっていくんじゃないのか!って思いつつ、、、。
僕らのマチ、三ツ川タウンの盆踊りだって負けちゃいない!
そんな想いを胸に山田地区の盆踊りに参加し、このマチの盆踊りの“スゴイ!”を探してきました!!

毎週末に行われている盆踊り!

山田学区盆踊り1
八筋町盆踊り

櫓は使いまわし!?5つの町内が順番に開催!

以前の記事、『【ココがスゴイ】毎年恒例、どこかで必ず行われている「盆踊り」』でも紹介しているように、山田小学区では毎年、5週に渡って盆踊りが開催されています。

盆踊りを行なっているのは八筋町、上小田井、五才美、南川町、市場木の5つの町内。

山田学区盆踊り2
南川町盆踊り

 

今年はおしくも台風の影響で中止になってしまった五才美の盆踊りをのぞき、4つの町内で開催されていました。

実はどの盆踊りも同じ櫓を使っているそう。なので毎年、日程が被ることなく開催されるのですね!

山田学区盆踊り3
市場木盆踊り

 

まるでバトンのように櫓が町内から町内へ手渡されていく、町内間の連携プレー!!

これって結構“スゴイ”ことではないでしょうか?

みんなで踊って暑さを吹き飛ばそう!

山田学区盆踊り4
市場木盆踊り

 

終盤は踊りの輪が何重にも!

日が暮れるころ、櫓の上には太鼓が設置され、盆踊りが始まります。

櫓の上で踊っている方の見よう見まねで体を動かせば、踊れているもの。

山田学区盆踊り5
市場木盆踊り

 

どれも単純な動きで老若男女誰でも参加できるのが、盆踊りの良いところですよね!

ちなみに曲目はこんな感じ。

山田学区盆踊り6
市場木盆踊り

 

他にも、山田地区消防団の方たちが、櫓に集まり、一緒に踊ってくれる、「自助力音頭」、ちびまる子ちゃんでおなじみの「おどるポンポコリン」、郡上踊りの「かわさき」なども!町内によって曲目は変わります!

 

ちなみに「自助力音頭」は西消防署が考案とのこと。「西区もうやっこ音頭」といい、「山田地区ふれあい音頭」といい、ローカルな踊りがこれだけあるというのも“スゴイ!”

山田学区盆踊り7
市場木盆踊り

 

櫓の上空では月が輝くころ。ビール片手に涼んでいる方や、近所の方との会話に花が咲いた方、辺りを駆け回る子供たちなど、会場の公園は人で一杯に!

山田学区盆踊り8
市場木盆踊り

 

最後の曲が流れるころには踊り手も増え、櫓を囲む輪も何重にもなっています。

名古屋の川向こうと言えど、周辺は住宅地。そんなマチの何の変哲もない公園に、これだけの人が集まる光景も“スゴイ!”

 

地域住民による、地域住民のための盆踊り

山田学区本踊り11
南川町盆踊り

 

夏の夜、三ツ川に響く太鼓の音頭。

面白いのは踊りだけではありません。

みんなが踊っている周りでは、町内の方たちが訪れてくれた方を楽しませようと、様々な工夫を凝らしています。

山田学区盆踊り10
南川町盆踊り

 

キッチンカーの出店や美容師さんによる出張髪結いサービスを行なっている町内もありましたよ!

普段は何気なくすれ違ったりしている地域の方たちが、ここではお互いを楽しませようとしているのです!“スゴい!”

山田学区盆踊り12
市場木盆踊り

 

今回盆踊りを巡っていて気になっていたのが、どこの会場に行っても、櫓の中心に立ち、太鼓を叩いて音頭をとっている方。

あの方は一体、、、?

実はこちらは山田小学区の盆踊りでは20年ほど太鼓を叩いているという片山さん。

山田学区盆踊り13
市場木盆踊り

 

齢はすでに80歳を超えているとのこと。

ス、スゴイです、、、。

 

このように、自治会や町内会、女性会や消防団、そしてもちろん、参加者の方々、様々な立場の方が関わり、地域の方たちを楽しませようと協力して、工夫を凝らし、成り立っている盆踊り。

こういう関係が築かれているって“スゴイ!”ですよね!

たくさんの“スゴイ!”を見つけてしまいました!

 

次回はもっと“スゴ~イ!”ことになっていることを期待して、来年の盆踊りも楽しみにしていましょ~!

 


<盆踊りを開催している町内と会場>

八筋町盆踊り大会:道間公園(愛知県名古屋市西区八筋町112−4
上小田井盆踊り大会:中浦公園(愛知県名古屋市西区上小田井2-78
五才美盆踊り大会:五才美公園(愛知県名古屋市西区五才美町185
南川町盆踊り大会:高道公園(愛知県名古屋市西区南川町210
市場木町盆踊り大会:由池公園(愛知県名古屋市西区市場木町199

いよいよ開催!「庄内緑地夏まつり」ができるまで【後編】

今年の8月11日、第2回目となる「庄内緑地夏まつり」が開催されます。この夏まつりが開催されるまでには、実行委員会メンバーの長年の想いや絶え間ない努力、地元の皆さんの応援が必要でした。そんな開催までの裏話を、西区山田学区の自治会長・稲葉泰司さんと、NPO法人「新しく矢田川花火を進める会」代表の秋山知弘さん2人のキーパーソンからお伺いしました。(本インタビューは前編・中編・後編の3部構成となっています)

世代を超えて地域を愛する人たちが集まる山田地区、そして夏まつりへの想い

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開催の秘訣となった、山田地区のコミュニティとは

いよいよ開催場所が決まり、ついに庄内緑地で夏まつりを開催することになりましたが、北区出身の秋山さんにとっては初めての場所。秋山さんから見た庄内緑地・山田地区の人たちは、どのような印象なんでしょうか?

 

秋山さん:
地元愛がある人がすごく多いと思います。愛があって、夢があって、それを実現するために、山田地区の皆さんは「じゃあ、どうしたらできるか?」を考えて実践されているんですよね。今回も、開催のハードルが高かった夏まつりの企画を「どうしたらうまくいくか?」って、皆さん知恵を出してくれています。

 

稲葉さん:
私も、最初に花火大会の話を聞いたときは「やりたい!」と思いましたけど、周囲から反対の声が上がれば、この話を受けられるかどうかはわからないと考えました。でも、それよりもまず「庄内緑地で花火が上がるらしいよ」と話が広がっていって。みんなが盛り上がってきたところに、「実はうちの学区で運営をやろうと・・・」という話をしたんですよね(笑)。でも、そこは地区の皆さんが、どうやって開催しようかと、一緒に動いてくれたんです。

 

「じゃあ、どうしたら開催できるか?」を地域みんなで考えて実行できる山田地区には、ほかの地区には無いとある“秘訣”があるようです。

 

稲葉さん:
山田学区には、町内会長経験者の若手が集まる「学区盛り上げ隊」という有志のチームがあり、その存在が非常に大きいと思います。今回の夏まつりの企画に関しても、盛り上げ隊の皆さんには中心として関わっていただいています。本当にやっぱり、私たちのような年代だけでは、何もできないなと感じるので、心強いです。

 

今、この「学区盛り上げ隊」のメンバーは15名ほど居るそうです。町内会で役を経験した人たちが、役が終わってもずっと地域に関わり続けている山田地区。世代を越えて地域が繋がり続けられるヒントが、ここにはあるかもしれません。

 

そんな、地元を盛り上げたい稲葉さんと、お祭りを復活させたい気持ちで行動し続けた秋山さんに、今年の「第2回庄内緑地夏まつり」について伺いました。

 

稲葉さん:
まず、今回は何と言っても花火です。2号玉50発。開催を重ねて徐々に実績を積んで、いつかは矢田川花火みたいな大々的な花火大会にしたいですね。今年はその第1回目。まずはやってみて、2年3年と続けて、大きな花火大会にしていきたいですね。また、今年は西区制と山田小学校が共に110周年になるということで、それもアピールしていきたいです。
山田地区の皆さんは、非常に協力的だと感じています。まだまだ、当日や翌日のボランティアさんを集めなくてはいけなかったり、地域の企業さんからどれくらいご理解・ご協力をいただけるかが課題ですね。

 

秋山さん:
矢田川で花火が打ち上がるというのは、僕の地域の人からすると「当たり前」だったんですよね。それが今回、庄内緑地という場所になり、山田地区の皆さんと花火を上げるということになった。「西区で花火が上がった」「庄内緑地で花火が上がった」ということは、僕が地元で花火が上がっていたことを誇りに思うのと同じで、非常にインパクトのあることだと思います。だから、西区のみなさんの良い思い出になっていくんじゃないかなと思っています。
今回は、小さいお子さんが手持ち花火でも喜んでもらえたり、50発ですが打ち上げ花火を目の前で見てくれたら、それはきっといい思い出になるんじゃないかなと思います。

 

夏まつりを地域の人たちに応援してもらうために作った募金箱。山田地区を中心に地元の飲食店や店舗さんに置いていただいています

 

お話は、今年の夏祭りだけでなく、今後への想いにも。

 

稲葉さん:
花火は西区から見えるだけではないから、北区や周りの地域含めて、地域の花火大会になったらいいなと思います。まずは今年を成功させて、「なかなかいいんじゃないの、もっと大きくやりましょうよ」っていう雰囲気になっていくのが理想的だと思っています。

あとは、地域活動をしていて感じていることがあります。今まで、学区の中でも連絡協議会が中心になって催し物をやることが多かったんですよね。そうすると、そこに関わっていないと参加しづらかったり、そもそも企画の存在を知らない、ということも多かったんです。もっと広く一般の方が、いろんな地域の活動に参加できるようにしたいと思っています。だから、今回の夏まつりのボランティアというのは、地域活動に関わる非常に良いチャンスなんじゃないかなと思っています。まあ、私自身が、自治会に入るまではそういうボランティアということに、全く無関心だったこともありますし(笑)。もっといろんな人に関わってもらって、地域全体を盛り上げたいですね。若い人にもどんどん入ってもらえたら、これから新しいこともいっぱいできるんじゃないかな。

 

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秋山さん:
矢田川花火が無くなった当時、確か第41回だったんですよね。きっと戦後の復興を目的に始まったと思うんです。でも、高度成長期やバブル時代を経て、みんなが車を持ち始めたことによる駐車場の問題とか、マンションが増えてきたりして、手持ち花火すらできる場所がなくなってしまった。昔と比べたら、僕の地元で花火大会を開催し続けるというのは、なかなか難しいかなと思うんです。時代に合った場所で、時代に合ったお祭りを行って、子ども達に思い出を残したいです。すぐにではないですが、日中の明るいうちに、子ども向けのイベントができたらいいですね。キッザニアみたいな職業体験とか。ただ、山の日ってめちゃくちゃ日中暑いけど(笑)。でも、矢田川花火も、その時期になると、遠くで暮らしている家族がみんな地元に集まって花火を見ていたと聞きました。今回、まさにお盆の始まりである山の日にイベントを行うということで、この日にずっと続けられるなら、地元の人が帰ってくる良い機会になるんじゃないかなと思っています。

 

「小さい頃、家の近所で花火大会があってね。」
そんなふうに、大人になってから地元のことを語ることのできる町。それを作ることができるのは、紛れもなく、今そこに住んでいる大人たちだけです。山田地区の皆さんと北区の秋山さんも、地域は違えど共通する想いが、今回の夏まつり開催に繋がったのだと思います。
この夏まつりで打ち上がる花火は、例えわずか50発だろうと、見た人はみんな「庄内緑地から花火が上がった」という思い出として、ずっと心に残り続けるでしょう。

 

あなたは、この50発の花火を、どこで見ますか?家から?夏まつりの会場?それとも、ボランティアスタッフとして?どんな形であろうと、きっと良い思い出になると思いませんか。

URL:https://shounairyokuchi.wixsite.com/info

いよいよ開催!「庄内緑地夏まつり」ができるまで【中編】

今年の8月11日、第2回目となる「庄内緑地夏まつり」が開催されます。この夏まつりが開催されるまでには、実行委員会メンバーの長年の想いや絶え間ない努力、地元の皆さんの応援が必要でした。そんな開催までの裏話を、西区山田学区の自治会長・稲葉泰司さんと、NPO法人「新しく矢田川花火を進める会」代表の秋山知弘さん2人のキーパーソンからお伺いしました。(本インタビューは前編・中編・後編の3部構成となっています。前回までのあらすじはこちら

【中編】狼煙(のろし)を上げ続けることで、行き着いた庄内緑地という場所

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矢田川花火がなくなってから約10年間の活動の軌跡

2005年に矢田川花火大会が中止になってから、秋山さんはどうにか花火大会を開催したいと模索します。

 

秋山さん:
矢田川花火が中止になった時は、実は正直なんとも思わなかったんです。でも、中止になった翌年から、毎年夏の時期になると「今年は復活するらしいよ」とガセネタが流れてきては「やっぱりないね」っていうのを繰り返して。そこで、「みんな楽しみにしているのに、なぜ復活しないんだろう?」という疑問が湧いてきました。

そんな中、偶然見に行ったのが、とある地方で行われていた町内会の花火大会でした。町内会で花火大会ができるなら、自分たちにも何かできるかもしれない。そんな実感が湧きました。ちょうどその頃、地元の方が花火大会復活の取り組みをされていたのを知って、そこに参加してみたんです。

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秋山さん:
活動している人数も少なかったから、急に「夏に矢田川花火復活!」というのは難しくて。最初はクリスマスの時期に小規模な花火大会を行いました。一度やってみて、この規模ならクリスマスにできる、と実感しました。狼煙(のろし)を上げ続けることが大事だと思っていたので、翌年も、その翌年も開催しました。

すると、周囲から「夏に花火を見たい」という声が徐々に挙がってきたんですよね。それが2009年のクリスマスに実施した花火大会の後。来年夏の花火までにはもう半年しかない、ということで、2010年の夏は一旦見送って、2011年開催を目指しました。1年半かけましたが、夏の花火大会はハードルが高く、さらに震災もあったので、そこでも開催は見送りました。

 

その後2012年に「矢田川夏まつり」を開催した秋山さん。開催後も、夏の花火大会への道を探り続けます。

 

秋山さん:
3年間クリスマスに花火を上げていたということは、地域の皆さんは何となく知っていたし理解もしてくださっていました。しかし、やはり夏の花火大会となると、巻き込む人の数や影響範囲が全く誓ってきます。だから、「じゃあ、やりましょうか」と、地域の人と一体となって進めていくというのは、実は非常に難しいんです。

ですので、同じ矢田川でも少し違うエリアでの開催を計画したりと、うまくいく方法を模索していました。そうやって色々とこの活動を受け入れてくださる地域を探している中で、矢田川から徐々に南下していき、庄内川と合流するこの庄内緑地というエリアの検討に入りました。

 

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稲葉さん:
ちょうど私が自治会に関わり始めた頃、秋山さんは庄内緑地を候補地として考えられていたんですよね。私は、秋山さんからこの花火開催の話を聞いたときに「矢田川花火大会みたいなお祭りが自分の住む地域でできるなら、そんな嬉しいことはない」と、純粋に思ったんですよね。

 

花火大会の開催場所を模索していた秋山さんと、地元を盛り上げたいと思った稲葉さん。2人の想いが、「庄内緑地夏まつり」という形になりました。しかし、これまで秋山さんが苦労されてきたように、夏まつりを開催するには多くの地域の人の協力が必要です。これまでずっと開催までのハードルを超えられなかったのに、なぜこの庄内緑地公園の山田地区では、それが可能だったのでしょうか?

(後編に続く)

いよいよ開催!「庄内緑地夏まつり」ができるまで【前編】

今年の8月11日、第2回目となる「庄内緑地夏まつり」が開催されます。この夏まつりが開催されるまでには、実行委員会メンバーの長年の想いや絶え間ない努力、地元の皆さんの応援が必要でした。そんな開催までの裏話を、西区山田学区の自治会長・稲葉泰司さんと、NPO法人「新しく矢田川花火を進める会」代表の秋山知弘さん2人のキーパーソンからお伺いしました。(本インタビューは前編・中編・後編の3部構成となっています)

【前編】北区と西区、違う場所から矢田川花火を見て育った2人

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それぞれの「矢田川花火」への想い

稲葉さんと秋山さんは、ご出身がそれぞれ名古屋市西区、北区で、生まれも育ちも違います。そんなお2人は、どんなきっかけで出会い、今回一緒に実行委員のメンバーとなったのでしょうか。

 

稲葉さん:
私は、生まれも育ちもこの西区の山田地区なんですが、社会人になってから転勤で長く離れていて、名古屋に戻ってきたのは50歳になる前くらい。戻ってきてからも、特に地域の活動に関わることはありませんでした。定年退職した後に、自治会の会計という仕事に関わるようになって、そのご縁で、一昨年から自治会長をしています。

 

秋山さん:
私は北区生まれで、生まれた頃から地元で開催された矢田川花火(※)を見て育ってきました。学校を卒業して、家業を継いで仕事をしていた2005年の夏、矢田川花火が一旦休止ということになりました。「きっとまたすぐ復活するだろう」。漠然とそんなふうに思っていたのですが、2006年になっても、2007年になっても復活しない。「このままでは完全になくなってしまう」という危機感を感じましたね。そこから、自分たちで花火大会を復活させる活動を始めました。

そんな、生まれた土地も世代も違うお二人にとって、矢田川花火とはどんな存在だったのかを伺いました。

 

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秋山さん:
小さい時におばあちゃんに手を引かれてお祭り会場に行った記憶がありますね。あとは、バイトの先輩に場所取りさせられたとか(笑)。この矢田川花火だけでなくても、「花火大会といえば”初恋の子とデート”とか”友達とみんなで夜遊び”」みたいなエピソードって、多かれ少なかれ、みなさん持っていると思います。でも、そういう思い出以上に、自分にとっては生まれてからずっとあるものだと思っていたから、ある時急になくなってしまったということには、寂しいものを感じましたよね。

 

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稲葉さん:
矢田川花火といえば、高校時代に行った覚えがありますね。当時の先輩が、矢田川花火大会の会場近くに住んでいて、先輩の家で見ましたね。あとは、結婚したての頃。夫婦で自転車を漕いで庄内川の河川敷に行って、そこから花火を眺めた思い出があります。

 

北区と西区。お二人は、それぞれの「矢田川花火」を思い出しながら楽しそうに語ってくださいました。そんな矢田川花火大会が中止になってから、どのようにしてこの夏まつりを開催するに至るのでしょうか。

 

(中編に続く)

 


(※)矢田川花火:名古屋市北区の矢田川周辺で開催されていた大規模な花火大会。正式名称は「全国選抜名古屋大花火」。1964年から開催され、長く名古屋市民に愛されてきた花火大会でしたが、2004年を最後にこの花火大会は終了した。