2018.6.9三ツ川インタビュー

いよいよ開催!「庄内緑地夏まつり」ができるまで【後編】

今年の8月11日、第2回目となる「庄内緑地夏まつり」が開催されます。この夏まつりが開催されるまでには、実行委員会メンバーの長年の想いや絶え間ない努力、地元の皆さんの応援が必要でした。そんな開催までの裏話を、西区山田学区の自治会長・稲葉泰司さんと、NPO法人「新しく矢田川花火を進める会」代表の秋山知弘さん2人のキーパーソンからお伺いしました。(本インタビューは前編・中編・後編の3部構成となっています)

世代を超えて地域を愛する人たちが集まる山田地区、そして夏まつりへの想い

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開催の秘訣となった、山田地区のコミュニティとは

いよいよ開催場所が決まり、ついに庄内緑地で夏まつりを開催することになりましたが、北区出身の秋山さんにとっては初めての場所。秋山さんから見た庄内緑地・山田地区の人たちは、どのような印象なんでしょうか?

 

秋山さん:
地元愛がある人がすごく多いと思います。愛があって、夢があって、それを実現するために、山田地区の皆さんは「じゃあ、どうしたらできるか?」を考えて実践されているんですよね。今回も、開催のハードルが高かった夏まつりの企画を「どうしたらうまくいくか?」って、皆さん知恵を出してくれています。

 

稲葉さん:
私も、最初に花火大会の話を聞いたときは「やりたい!」と思いましたけど、周囲から反対の声が上がれば、この話を受けられるかどうかはわからないと考えました。でも、それよりもまず「庄内緑地で花火が上がるらしいよ」と話が広がっていって。みんなが盛り上がってきたところに、「実はうちの学区で運営をやろうと・・・」という話をしたんですよね(笑)。でも、そこは地区の皆さんが、どうやって開催しようかと、一緒に動いてくれたんです。

 

「じゃあ、どうしたら開催できるか?」を地域みんなで考えて実行できる山田地区には、ほかの地区には無いとある“秘訣”があるようです。

 

稲葉さん:
山田学区には、町内会長経験者の若手が集まる「学区盛り上げ隊」という有志のチームがあり、その存在が非常に大きいと思います。今回の夏まつりの企画に関しても、盛り上げ隊の皆さんには中心として関わっていただいています。本当にやっぱり、私たちのような年代だけでは、何もできないなと感じるので、心強いです。

 

今、この「学区盛り上げ隊」のメンバーは15名ほど居るそうです。町内会で役を経験した人たちが、役が終わってもずっと地域に関わり続けている山田地区。世代を越えて地域が繋がり続けられるヒントが、ここにはあるかもしれません。

 

そんな、地元を盛り上げたい稲葉さんと、お祭りを復活させたい気持ちで行動し続けた秋山さんに、今年の「第2回庄内緑地夏まつり」について伺いました。

 

稲葉さん:
まず、今回は何と言っても花火です。2号玉50発。開催を重ねて徐々に実績を積んで、いつかは矢田川花火みたいな大々的な花火大会にしたいですね。今年はその第1回目。まずはやってみて、2年3年と続けて、大きな花火大会にしていきたいですね。また、今年は西区制と山田小学校が共に110周年になるということで、それもアピールしていきたいです。
山田地区の皆さんは、非常に協力的だと感じています。まだまだ、当日や翌日のボランティアさんを集めなくてはいけなかったり、地域の企業さんからどれくらいご理解・ご協力をいただけるかが課題ですね。

 

秋山さん:
矢田川で花火が打ち上がるというのは、僕の地域の人からすると「当たり前」だったんですよね。それが今回、庄内緑地という場所になり、山田地区の皆さんと花火を上げるということになった。「西区で花火が上がった」「庄内緑地で花火が上がった」ということは、僕が地元で花火が上がっていたことを誇りに思うのと同じで、非常にインパクトのあることだと思います。だから、西区のみなさんの良い思い出になっていくんじゃないかなと思っています。
今回は、小さいお子さんが手持ち花火でも喜んでもらえたり、50発ですが打ち上げ花火を目の前で見てくれたら、それはきっといい思い出になるんじゃないかなと思います。

 

夏まつりを地域の人たちに応援してもらうために作った募金箱。山田地区を中心に地元の飲食店や店舗さんに置いていただいています

 

お話は、今年の夏祭りだけでなく、今後への想いにも。

 

稲葉さん:
花火は西区から見えるだけではないから、北区や周りの地域含めて、地域の花火大会になったらいいなと思います。まずは今年を成功させて、「なかなかいいんじゃないの、もっと大きくやりましょうよ」っていう雰囲気になっていくのが理想的だと思っています。

あとは、地域活動をしていて感じていることがあります。今まで、学区の中でも連絡協議会が中心になって催し物をやることが多かったんですよね。そうすると、そこに関わっていないと参加しづらかったり、そもそも企画の存在を知らない、ということも多かったんです。もっと広く一般の方が、いろんな地域の活動に参加できるようにしたいと思っています。だから、今回の夏まつりのボランティアというのは、地域活動に関わる非常に良いチャンスなんじゃないかなと思っています。まあ、私自身が、自治会に入るまではそういうボランティアということに、全く無関心だったこともありますし(笑)。もっといろんな人に関わってもらって、地域全体を盛り上げたいですね。若い人にもどんどん入ってもらえたら、これから新しいこともいっぱいできるんじゃないかな。

 

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秋山さん:
矢田川花火が無くなった当時、確か第41回だったんですよね。きっと戦後の復興を目的に始まったと思うんです。でも、高度成長期やバブル時代を経て、みんなが車を持ち始めたことによる駐車場の問題とか、マンションが増えてきたりして、手持ち花火すらできる場所がなくなってしまった。昔と比べたら、僕の地元で花火大会を開催し続けるというのは、なかなか難しいかなと思うんです。時代に合った場所で、時代に合ったお祭りを行って、子ども達に思い出を残したいです。すぐにではないですが、日中の明るいうちに、子ども向けのイベントができたらいいですね。キッザニアみたいな職業体験とか。ただ、山の日ってめちゃくちゃ日中暑いけど(笑)。でも、矢田川花火も、その時期になると、遠くで暮らしている家族がみんな地元に集まって花火を見ていたと聞きました。今回、まさにお盆の始まりである山の日にイベントを行うということで、この日にずっと続けられるなら、地元の人が帰ってくる良い機会になるんじゃないかなと思っています。

 

「小さい頃、家の近所で花火大会があってね。」
そんなふうに、大人になってから地元のことを語ることのできる町。それを作ることができるのは、紛れもなく、今そこに住んでいる大人たちだけです。山田地区の皆さんと北区の秋山さんも、地域は違えど共通する想いが、今回の夏まつり開催に繋がったのだと思います。
この夏まつりで打ち上がる花火は、例えわずか50発だろうと、見た人はみんな「庄内緑地から花火が上がった」という思い出として、ずっと心に残り続けるでしょう。

 

あなたは、この50発の花火を、どこで見ますか?家から?夏まつりの会場?それとも、ボランティアスタッフとして?どんな形であろうと、きっと良い思い出になると思いませんか。

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